この記事は、我が家のいぬねこ達が病気にかかった時に、私が本やネットでその病気について調べたことをまとめなおしたものです。
名づけて病気ノート(名づけるほどでも:笑)
病気について調べた事と、うちの子の場合、うちの子エピソードをつけてあります。
拙いノートですが、検索などでここを訪れた方に、ほんの少しでも参考になりましたら幸いです。
注)あくまでも私=獣医ではない、ただのいち飼い主が、獣医学の本を読み、ネットで調べただけの知識です。
こう書いてあったからこうしたのに、違ったじゃない!などの苦情は受け付けませんのでお願いします。
ここ、違うんじゃない?という間違いお知らせは大歓迎です(^^;)
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病気ノート
【股関節形成不全】 うちの患者:うぃっしゅ(ゴールデンレトリバー)
≪病態≫
簡単に言えば、股関節が正常に発達するのを邪魔する遺伝子によって起きる病気です。
レントゲンを見ると非常に分かりやすいのですが・・・
犬に限らず、足というのは、股関節の凹みに大腿骨の頭がはまりこんでいる状態でくっついています。
股関節形成不全の子は、股関節の凹みが浅く、大腿骨の頭がしっかりはまっていない状態で、いわゆる亜脱臼という状態になっています。
ウィキペディアに、正常な犬と股関節形成不全の犬のレントゲンが載っていますので、そちらを見ると分かりやすいかと思われます。
≪原因≫
遺伝性疾患なので、親犬や祖父母犬達から遺伝します。
股関節形成不全と診断された両親から生まれる子犬の約8~9割が、股関節形成不全の可能性があると言われています。
病気の原因は遺伝ですが、発症・悪化させるきっかけとしては、運動過剰や体重増加・肥満などがあります。
つまり、股関節形成不全の遺伝子を持っていても、運動をさせすぎたり太らせたりしなければ軽症ですむ事もあるわけです(最初から歩けないほど重症の子は別として)
≪症状≫
重症の子だと歩く時に痛みを感じます。歩く事もできない子もいます。
そこまで重症でなくても、関節がゆるい状態なので、関節炎が起きやすくなります。関節炎になれば、やはり痛みが出てきます。
軽症の子だと、ほとんど痛みの症状は出ませんが、普通の子よりは関節炎を起こしやすく、後ろ足も弱いです。
うぃの場合もごく軽症だったので、痛みが出たことはありませんが、後ろ足が弱り始めたのはかなり早い時期(6~7歳頃?)でした。
痛みの他は、以下のような症状が出ます。
・ 腰を振って歩く
・ 横すわりをする
・ ウサギ跳びをする
・ 立ち上がるのに時間がかかる
・ 歩く時に頭が下がっている
・ 高いところに登るのをためらう
オレンジ色が、うぃに現れた症状です。
どの症状も、後ろ足の負担や痛みをさけるために起こる動作です。
きちんと座ると後ろ足に負担がかかるので横すわりをする。
後ろ足に負担がかかるので重心が前にかかり、歩く時頭が下がる。
後ろ足が弱いので、立ち上がるのに時間がかかる・・・。
ただし、正常な子でも横すわりや高いところをためらったりします。
横すわりしてるから、イコール股関節形成不全ではありません(^^;
一番目安となる症状は、
腰を振って歩く。
この症状は、股関節が正常に形成されていないために歩き方が異常となっている状態です。
腰をぷりぷりと左右に振って、まるでマリリン・モンローのように歩きます。
これは股関節形成不全症の特徴的な症状で
『モンローウォーク』と呼ばれます。
このモンローウォークが、一番目安となるのではないかな、と思います。
≪診断方法≫
ほぼ100%、X線検査による診断です。
一番確実で正確。レントゲンを撮れば、股関節の状態が分かりますからね。
どこの病院でも、X線ならしてもらえますし。
うぃの場合も、X線を撮ってもらいました(というか勝手に撮られた;)
≪治療の方法≫
内科的治療と外科的治療があります。
軽症なら内科的治療で済む事がほとんどですが、重症になると外科的治療が必要となるそうです。
内科的治療としては、痛み・関節の炎症をなくすために、消炎鎮痛剤の投薬。
これによって炎症が治まったら、運動・食事制限をします。
原因の項目で書きましたが、運動過剰や肥満は症状を悪化させる要因なので、運動や食事をコントロールして症状の悪化を防ぎ、なるべく快適に過ごせるようにしてやるのです。
外科的治療では、
腿骨頭切除術・骨盤3点骨切り術・股関節全置換術などがあります。
それぞれを少し簡単に書いておきますが、あくまでも私が獣医学の本を読んで得た知識です。
あまり信用せず、何となくこんな物かな的なイメージだけに留めてください。
手術が必要な場合は、必ず獣医師に詳しい説明を受けてくださいね(って言わずもがなですが;)
・大腿骨頭切除術
大腿骨の頭(骨頭)を切断して取り除いてしまう方法。
骨が治癒する際に、繊維質の丈夫な物質を出して関節のような物を形成する。それを利用する治療法です。
手術の中でもっとも簡便な方法ですが、関節の運動範囲は制限されます。
体重が重い子にも向かないようです。
・骨盤3点骨切り術
生後5ヶ月~1年くらいの子犬の場合に有効です。
骨盤の3箇所の骨を切断して、大腿骨の頭がはまる凹みを深くして、脱臼しにくくする整形手術です。
片足ずつしか手術できないので、片側の手術を行ったあと4~6週間後にもう片方の手術をおこないます。
・股関節全置換術
障害のある股関節を人工関節に置き換える方法で、重度の股関節形成不全症に対しておこないます。
骨盤部の凹みに樹脂製のカップをつけ、大腿骨の先を切断して代わりにステンレス製の人工骨頭を埋め込む大きな手術です。
股関節形成不全の治療法としては非常に優れていて最も有効な方法ですが、設備の整った病院でしかできない・執刀できる獣医師の数が少ないなどのリスクがあります。
つまり手術できる病院が少ない=遠方まで行かなければならない場合が多いです。
さらに、人工関節は非常にお金がかかるので、家族にとってもいぬにとっても負担のかかる手術です。
≪予防法≫
病気を発症させない、という意味での予防ですと、
・過激すぎる運動は控える
・太らせない
・後ろ足に負担をかけないように生活する
などでしょうか。
それから、この病気の子を増やさないために、股関節形成不全と診断された子は絶対に繁殖させないこと!!
遺伝する確立は80~90%、かなり高い確率で遺伝します。
重症度は犬によって異なりますが、親が軽症なら子犬も軽症ですむ、というわけではありません。
股関節形成不全の子は繁殖に使わない、それができるブリーダーが少ないから、未だにこの病気はなくならないのでしょうけど。。。
長々と書きましたが、最後に、うちの子の場合を。
下の「うちの子エピソード」から、読みたい方だけどうぞ。
うちの子エピソード